死体のない殺人にアートされた偽りの金魚草。 液晶画面にしか存在しない死臭を辿って盛夏の街を駆ける美夜を呼び寄せた、もうひとつの殺人事件。 空に大輪の花が咲いた夜、この街に潜む狂気の片鱗《へんりん》が儚く散り、それぞれの歯車が狂い始めた。 ねぇ、ファインダー越しの世界は綺麗？ 霞んだ画面の向こう側には何が見える？ この物語は犯罪、違法行為を助長するものではなく、法律、法令に反する行為を容認、推奨するものでもありません。 また、実在する事件、人物、団体とは関係がありません。 作中にSNSのアカウント名（@abcd～）がいくつか登場しますがアカウント名は私の創作です。類似名のSNSアカウントが実在したとしても私の小説とは無関係です。 フィクションのミステリーとしてお楽しみください。

田舎の駅で見つけた君は透き通るように美しくまるで、空に浮かぶ夏霞のようだった