柴犬~相澤くんの物語り
第五章 「生きたい・・・」
再びおれたちは、河原の小さな小屋にもどる。
少しくらい寒くても、ひもじくても、高宮さんがいてくれたら、もう淋しくない。
彼と寄り添って眠れたら夜だってもう怖くない。ささやかだけど幸せで穏やかな日々が続いた。
いつもみたいにおばさんからもらった食料の袋を口にくわえて、高宮さんが隠れている場所まで走ってもどる。
彼の姿を見つけ駆け寄ろうとした時、突然横から固いものがドシンとぶつかってきて、キャンッと悲鳴をあげておれはふっ飛んだ。
転んだまま見上げて心臓が止まりそうになった。
クリスマスの日に食べ物を横取りした、あの大きな黒犬が牙を剥き、グルル…と低い唸り声をあげ見下ろしている。
咄嗟に食料の袋を抱え込みうずくまるおれめがけ、そいつが飛びかかってきた。
「相澤君、危ない!」
悲鳴を聞きつけた高宮さんが飛んできておれの上に覆いかぶさった。
少しくらい寒くても、ひもじくても、高宮さんがいてくれたら、もう淋しくない。
彼と寄り添って眠れたら夜だってもう怖くない。ささやかだけど幸せで穏やかな日々が続いた。
いつもみたいにおばさんからもらった食料の袋を口にくわえて、高宮さんが隠れている場所まで走ってもどる。
彼の姿を見つけ駆け寄ろうとした時、突然横から固いものがドシンとぶつかってきて、キャンッと悲鳴をあげておれはふっ飛んだ。
転んだまま見上げて心臓が止まりそうになった。
クリスマスの日に食べ物を横取りした、あの大きな黒犬が牙を剥き、グルル…と低い唸り声をあげ見下ろしている。
咄嗟に食料の袋を抱え込みうずくまるおれめがけ、そいつが飛びかかってきた。
「相澤君、危ない!」
悲鳴を聞きつけた高宮さんが飛んできておれの上に覆いかぶさった。