忘れられない恋
-終章-

運命の人♡


松江駅バスターミナル。



その頃、夜行バスを待つ大勢の人達が列をなす中、京都行きのチケットを片手に私も最後尾でバスが来るのを待っていた。



血が繋がっているお父さんが京都に住んでいるため、今から私は京都に向かうつもりだ。



お父さんは『ずっと、うちに住めばいいじゃないか』と言ってくれたが、私はそれを断る。  


 
新しい家庭を持っているお父さんの邪魔にはなりたくない。



それに、甘えたくなかった。



だから、仕事と住む場所が見つかるまでの間だけ、お父さんの家にお世話になるつもり。



そして、見つかり次第、私は一人で頑張るとお父さんに伝えた。



はぁ……地元松江が寂しく感じる。


慣れ浸しんだ松江には愛着しかなく、この地を離れていくのが心苦しい。



楽しかったこと、辛かったこと。

青春に、出会い。


松江で過ごしたかけがえのない思い出に感謝し、私は前に走り出そうとしている。



本当にありがとう。




仁くん、大好きでした。



元気でね。



視線の先に京都行きの夜行バスの姿が小さく見え出した。
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