悪事通報アプリ
クレジットカード
放課後すぐに教室から出ていった美羽に心配したけれど、ちゃんと昇降口で待っていた。

うつむいてひとりで立っている美羽の姿はただ友人が来るのを待っているように見えた。

「おまたせ」
声をかけると美羽が警戒心をむき出しにして睨みつけてきた。
「どこへ行くの?」

「とりあえずカラオケ。それが終わったらボーリング」
ボーリングもゲームセンターもカラオケもひとつの施設で事足りる。

「そんなに? 今日は本当に時間がないんだけど」
イライラした様子で言う美羽が嘘をついているようには見えなかった。

おおよそ、塾か家庭教師でも来る日なんだろう。
その時間に美羽が戻っていないと面倒なことになるかもしれない。

「だって、どうする花乃?」
「それならお金だけ出してよ」

花乃の思い切った選択に美羽が唖然とした顔をする。
そして今日自分が誘われた理由を理解して仏頂面になった。

「お小遣い前だから、あんまり持ってない」
そう言いながらも素直に財布を取り出すのは本当に早く帰りたいからだろう。

それにお小遣いもやっぱり私達よりも多くもらっているみたいだ。
お小遣い前だと言いながら5千円札が一枚入っていた。
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