コンネリシャス王国の  恋物語

侵略と和解

二人の婚約式からひと月がたったころ、それまで警戒していたユバンナ王国が本格的に動き出した。

ユバンナ王国に潜入していた諜報員からユバンナ国の軍隊が人や武器を集め始めているという情報を送ってきたのだ。

後一~二週間で動き出しそうだと言う事だった。

同じころトピアーズ共和国からも密使が送られてきた。

ユバンナ王国からトピアーズに友好条約を結ぶ提案が持ち掛けられてきたそうだ。

ユバンナ王国はトピアーズ共和国に侵攻しないという条件でアリレア王女とユバンナ王国の第二王子との婚姻を提案してきたのだ。

アリレア王女はユバンナ国の強引な侵略行為が許せないのでそんな国に嫁ぐのは絶対に嫌だと言っているらしい。

何とかコンネリシェス王国に助けてもらえないかと言う事だった。

トピアーズ共和国はユバンナ王国に対抗できるような騎士団も軍も持っていない。

戦争になれば今の騎士団ではひとたまりもない。

また、アリレア王女に関してはジュオン王子の側妃としての婚姻を提案してきている。

正妃の座はルルがいるので側妃で婚姻することになっているとしてもらえばユバンナ王国との婚姻を断れると言う類のものであった。

上層部は呆れてものが言えないと言う感じで、ジュオン王子も懲りないトピアーズ共和国にご立腹のようだ。

ルルとて隣国の王女を側室として迎えるなど気分の良い物ではないし、一庶民のルルと一国の王女では立場も違う。

ルルがいくら正妃と言えども側妃のアリレア王女の方が身分的には上になるだろう。

それをわかって言ってきているのだとは思うが、それゆえに質が悪い。

コンネリシェス王国には側妃を設ける慣例はないとはっきりと伝えジュオン王子も上層部もきっぱりと断りを入れたらしい。
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