コンネリシャス王国の　　恋物語

コンネリシャス王国の幸せな未来

三国の関係もやっと落ち着いたころルルは第一子の妊娠に気付いた。

先に気付いたのはジュオン王子で、ルルの魔力の気配がいつもと違っていると言って、心配していたのだが、それは胎児が魔力持ちだからという事らしい。

王宮の医者によると胎児は順調に育っていて心配ないと言うことだった。

ジュオン王子やペレル家やベッテイーネ家の皆はとても喜んでくれて、特にジュオン王子とフェイレアの喜びようは異常なほどだった。

寝室に向かうのに二階にいこうとすると階段が危ないと言ってルルを横抱きにして運んでいこうとしたり、毎週土曜日の夕食会も安定期に入るまでだめだと言って中止にしてしまった。

フェイレアは一日に一度はルルの様子を見に東の棟の住まいまでやって来てはルルの世話をしたがってルルに鬱陶しいと言われてもめげずに毎日顔を出していて、ルルが産気づいた時も、丁度居合わせて医者を呼んだりルルを寝室まで運んだりジュオン王子に知らせたのもフェイレアだった。

そして寝室の外でジュオン王子と二人してうろうろと心配しながら生まれるのを待っていたのだ。

王妃様には初産は時間がかかるから座っていなさいと言われても二人は立ったままうろうろしていたらしい。

ベッテイーネ家に知らせに行くように言われたフェイレアは、行っている間に生まれたら困ると言って頑として動かなかったらしい。
結局セレスが知らせに行ってくれて、父や母や祖母も駆けつけてくれた。

昼すぎから陣痛が始まり満月が空に輝く頃ルルは、かわいい男の子を生んだ。

ジュオン王子の瞳とルルの髪の色を受け継いだ王子は、みんなに祝福されて人生の第一歩を踏み出した。

王妃様とルルの母テイアムは初孫を取り合って抱いていた。

そして一ヶ月後国王はその腕に赤子を抱いて、王宮のバルコニーで集まった人々に

ジュオン王子の第一王子を、ジユシード・ルフェル・ペレルと名付けたことを報告した。

ジュオン、ルル、フェイレアの名前まで織り込んで素敵な名前をもらったジュシ―ド王子はすくすくと弟妹の面倒もよく見る優しい王子に育った。
< 148 / 153 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop