続お菓子の国の王子様〜結婚に向けて〜 花村三姉妹 美愛と雅の物語

雅サイド

昨日、美愛ちゃんは実家に戻り、結婚前の最後の夜を家族と過ごした。


彼女はよく眠れたかな？




俺の方は、久しぶりにあまりよく眠れずに今日という日を迎えた。美愛ちゃんを抱きしめて寝ることに慣れてしまったからか？






彼女のいないベッドの右側にはプードルのBon Bonが......


なんだか寂しそうに見えるな。


ふと思いつき、圭衣ちゃんと葉子ちゃんにメッセージを送る。
2人とも賛成してくれたので、急いで仁にもメッセージを送った。




キッチンでコーヒーを淹れながら、窓の外の青空を見つめていると、ふと昨夜の出来事を思い出す。仲間たちとこのマンションにあるバーVIPで昔話に花を咲かせ、独身最後の夜を楽しんだ。




京兄、悠士兄、大和、仁、涼介、そして彰人の6人がいたおかげで、ここまで来られた気がする。今までの思い出が走馬灯のように一気に頭の中を駆け巡る。




家族からたくさんの愛情を受けていたが、いつの間にか西園寺の名が重く肩にのしかかり始めた。周りに寄ってくる人々、子供達でさえこの名前を欲しがり近づいてくる。


そんな時、初めての彼女から好きな物を否定され、俺が西園寺だから近づいたのだとも分かった。自分自身に自信が持てず、将来に対しても不安しかなかったが、学校での成績は常にトップを維持していた。


夢も希望もなかったあの頃。心配して必死に支えてくれたのは、家族とこの6人。