DEAR 1st 〜 SEASON〜
第12章 優しい嘘

第12章 優しい嘘




第12章 優しい嘘






───…視界にピンクの花びらが舞う。




───…春。


穏やかな陽光が照らす景色は、和やかで平和だ。



……なのに。




「やっほーい♪

新学期明けましておめでとーっ★★」



季節外れの挨拶が飛び─…。




━━━バシン!!!




「───きゃっ!!」




…背中にお馴染みの衝撃が走る。



……いったぁ……。





「もう!ナナ!
挨拶おかしいでしょ!

それに何か言うことない訳?」




一応、睨みを効かせてナナを見るも──…



「あっはは!

なーんで彩とまた一緒のクラスなのさぁ?」



ケラケラとナナが笑って椅子をカタカタ揺らす。




「……ほーんとだよ。

何でまたナナと同じクラスなのさぁ……」




「あーあー。やだなー」



「………ナナ。」



「…はいすいませーん。」



「…………」




チラッとナナを見て、二人で笑いあう。




───…そう。




あたし達は高校二年生になった。

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