Dearest 1st 〜Dream〜
第6章 月光

第6章 月光





第6章 月光

 



「きゃー!!!!

純、どうしたんだよその顔っっっ!!!」





───爽やかな朝……





…の筈が、壱の絶叫ですぐさま不快な朝に変わった。





「──…純、とうとうチカちゃんに殺られかけたか…」





「……は?」





吾郎が俺の前で両手を合わせて拝み出した。





「……それとも彩って子にぶん殴られでもした?」





──続いてマリアが口に薄ら笑いを浮かべて不気味に笑う。





「………」





「──純くーん!」






極めつけに、大学内を歩いていると女の子がそう言って手を振ってきた。





「なんやー?」





「浮気バレて皐月さんに殴られたのー?」





女の子が冗談をかましてくる始末。





マリアは不服そうに女を見つめた。






「あーうん、実はそうやねーん。」






「もー純くん、上手にやらなきゃダメだよー?



今度あたしの相手もしてねー♪」





俺が冗談に乗って手を振ると、女の子達はキャッキャッと楽しそうに笑った。







「──…あっそう。

あたしがその傷作った事になってるのね」






マリアがまた俺を見つめて、マジマジと傷を見つめた。

< 101 / 402 >

この作品をシェア

pagetop