Dearest 1st 〜Dream〜
第7章 譲れない想い
第7章 譲れない想い
第7章 譲れない想い
──…数日が過ぎた。
窓から見る景色は淀んだ灰色の曇り空。
雨が一日中降って、気分も憂鬱になる季節。
「あーあっ。
何か面白い事ないかなぁ?」
壱が恨めしげに窓から雨を見つめている。
「あーもう!
やっかいな季節だよ本当に。」
吾郎は洗濯物を苛々したように干し続けて不満を吐き出していた。
「……ほんまやなぁ、どんだけ雨降るんやろ…」
梅雨入りした空を見つめ、俺はいつものように楽譜を埋めていた。
──…休日。
特に意味もなく俺の家がたまり場になり、壱と吾郎が訪れ、のんびり過ごしていた。
「……あれ?
そういやマリアは?」
「バイトだよ。
もう終わってるからそろそろ来るんじゃないかな。」
──ガラガラ。
吾郎が洗濯物を干し終え、ベランダの扉を閉めてそう答えた。
………と同時に。
───ピンポーン。
「ウワサをすれば、マリア様だな。」
インターホンが鳴り、吾郎が玄関に向かった。