Dearest 1st 〜Dream〜
第8章 宣戦布告
第8章 宣戦布告
第8章 宣戦布告
「……でー♪
見事に純は撃沈!!!
……ってワケだねーッッ♪」
────カンッッ!!
……翌日。
ここはボーリング場。
俺、吾郎、マリア、壱のお決まりメンバーで真夏の朝っぱらからボーリング。
……というよりか、昨日からオールしたまま朝になった感じ。
「ちぇっ。
もうちょいでストライク狙えたのになぁー!!」
「壱、お前なぁ人の失恋をあおり文句にして投げんなや…」
「いーじゃんっ♪
これで失恋した気分もスカッと晴れるって♪」
───グサッ!!
痛恨の一撃。
……“失恋”。
壱の言葉が刺さる。
「……ふっ。
そんなのストライク狙ってから言いなさいよ」
「あぁっ?!
じゃあ狙ってみろよストライク!」
「……お安い御用よ」
マリアは真剣な顔でピンを見つめ、優雅にかつ素早いフォームで球を投げた。
────カンッ!!
「お♪さすがマリア♪
完璧ストライク♪」
吾郎がそう言うと、マリアはこれでもかという笑顔を壱に向けた。
「──…実力はモノを言うってね♪」
「むっかー!!腹立つ腹立つ腹立つ~~ッッ!!」
「うるさいこのヘタクソ。」
「何だってぇ?!?!」
「あーもう!!頼むから俺の横でケンカすな!!」
俺はマリアと壱の言い合う声を横目に、勘弁してくれと耳を押さえた。