Dearest 1st 〜Dream〜
第13章 汚くも儚い夢
第13章 汚くも儚い夢
第13章 汚くも儚い夢
───…変に疲れた…。
運転しながら、俺は自分の家に帰りたくなくて数時間フラフラしていた。
ただ行く宛もなく、車で彷徨い続けて。
……だって家に帰ってもしチカがいたら?
…って事を考えたら帰りたくても帰れなかった。
今日くらい、彩で頭を埋め尽くさせてくれないか?
失恋した今日くらい、そんな自由が欲しいから。
───…そして。
彷徨い続けた俺が向かった先は──…
───ピンポーン。
「はぁぁぁぁいっ!!!」
────カチャッ……。
「───…って、えっ?!純!?!?」
「………よぅ。」
俺は目をパチパチさせて驚いている壱に向かって力無く手を上げた。
「どーしたの、こんな夜中に!?!?
とりあえず上がって!!
ゴローちゃぁぁぁん!!!!!
純が来たよーっっっ!!」
「……はぁっ?」
パタパタと壱が吾郎を呼び、
奥から吾郎が返事代わりに素っ頓狂な声を上げた。
「……純?
どーしたんだよ、こんな夜中に………」
「……ごめん吾郎。
いきなり……」
「……や、それはいいけど………
とりあえず入れよ。」
「……ありがと……」
あまりにもぎこちない笑顔で笑いながら、俺はふらふらと中に入った。