Dearest 1st 〜Dream〜
第5章 傷ついた瞳
第5章 傷ついた瞳
第5章 傷ついた瞳
──一週間後…。
五月に入り、外はまた一段と温かくなった。
新緑が綺麗な地元の景色を見て、心が癒される。
──世の中には、
『五月病』なんていう病気まがいのものが詠われるけど。
今の俺に五月病なんて有り得ない。
怠くて何もやる気が起こらないなんて夢の世界の話じゃないか?
……って言うくらい、
今の俺には無縁な単語だ。
毎日がウキウキして、
何もないのに楽しくて、
気付けば無意識に笑っていて、
鼻歌なんか歌ってみたりなんかして──…
──…モノクロの世界が色を帯びていく。
見るもの一つ一つに輝きと煌めきが灯る。
“君の存在”、
ただそれだけで。
改めて思う。
……恋って、すげぇ。