異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
8・公爵家の愛娘、再び命を狙われる
「はい、出来た!」
「むきゅ……」
アンゴラウサギのブラッシングを終えたロルティは、ニコニコと笑顔を浮かべて抱きかかえていた獣をパッと離した。
か弱い鳴き声を上げた動物は床の上に放置された大量の毛を回収する際、邪魔にならないように配慮したのだろう。
小さな足を動かし、壁際で身体を休めた。
「うさぎしゃんは、隅っこが大好きだね~」
「きゅぅ……」
アンゴラウサギは滅多に鳴かないはずなのだが、ロルティのそばにいる獣はよくか細く甲高い甘えた声を出す。
動物は疲れたのか、ゆっくりと目を閉じ静かに眠り始めた。
「よーし! やるぞ~!」
クローゼットの中から箒とチリトリを取り出したロルティは、元気よく大きな声を出すとそう宣言した。
それにビクリと肩を震わせたのは、壁際で気配を殺して控えていたメイド達だ。
彼女達の仕事は、公爵令嬢のロルティをお世話すること。
雑用係と言い換えてもいい。
床に散らばった真っ白な毛を回収するのだって、使用人の仕事だ。
「お、お嬢様! 我々にお任せください……!」
「これくらいなら、1人でできるもん!」
「旦那様に見つかりでもしたら! 我々が叱られてしまいます……!」
「パパにはわたしから、説明するもーん! だから、大丈夫だよ!」
「し、しかし……!」
メイド達はガクガクブルブルと全身を震わせ、真っ青な顔しながらロルティを止めようとする。
「むきゅ……」
アンゴラウサギのブラッシングを終えたロルティは、ニコニコと笑顔を浮かべて抱きかかえていた獣をパッと離した。
か弱い鳴き声を上げた動物は床の上に放置された大量の毛を回収する際、邪魔にならないように配慮したのだろう。
小さな足を動かし、壁際で身体を休めた。
「うさぎしゃんは、隅っこが大好きだね~」
「きゅぅ……」
アンゴラウサギは滅多に鳴かないはずなのだが、ロルティのそばにいる獣はよくか細く甲高い甘えた声を出す。
動物は疲れたのか、ゆっくりと目を閉じ静かに眠り始めた。
「よーし! やるぞ~!」
クローゼットの中から箒とチリトリを取り出したロルティは、元気よく大きな声を出すとそう宣言した。
それにビクリと肩を震わせたのは、壁際で気配を殺して控えていたメイド達だ。
彼女達の仕事は、公爵令嬢のロルティをお世話すること。
雑用係と言い換えてもいい。
床に散らばった真っ白な毛を回収するのだって、使用人の仕事だ。
「お、お嬢様! 我々にお任せください……!」
「これくらいなら、1人でできるもん!」
「旦那様に見つかりでもしたら! 我々が叱られてしまいます……!」
「パパにはわたしから、説明するもーん! だから、大丈夫だよ!」
「し、しかし……!」
メイド達はガクガクブルブルと全身を震わせ、真っ青な顔しながらロルティを止めようとする。