異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
9・公爵の愛娘、悪徳養父を成敗する
「真正面から堂々と訪問したところで、剣の錆になるだけでしょう」
「ふん。俺が四方八方を囲まれた程度で、命を奪われる男だとでも思っているのか?」
「閣下であれば全員を退けるのは簡単でしょうが、ロルティ様を守りながらですとやはり……」
「俺の愛娘を足手纏い呼ばわりとは……。いい度胸だな」
「私と閣下が今ここで言い争いを繰り広げる必要は、あるのでしょうか」
じっと黙って一触触発な空気で会話を聞き続けていたロルティは、元気よくカイブルの質問に答えた。
「ないよ!」
「そうか。では、無駄な言い争いは止め、現実的な話をしよう」
愛娘の言葉を耳にした父親は、先程までカイブルと言い争っていたのが嘘のように真面目な表情で話題を変えた。
護衛騎士は何か言いたげにジト目で彼を見つめていたが、幼子の前でこれ以上身内同士言い争う理由はないと考えたのだろう。
ぐっと言葉を飲み込み、ジェナロの指示に従った。
「本当にここから、侵入するのか」
「ええ。人気がなく、司祭の執務室に近い場所へ出られる唯一の抜け穴です」
カイブルが神殿内へ侵入するために利用する抜け穴は、迷いの森の中にある。
彼女が逃亡する際に利用したものだった。
「ふん。俺が四方八方を囲まれた程度で、命を奪われる男だとでも思っているのか?」
「閣下であれば全員を退けるのは簡単でしょうが、ロルティ様を守りながらですとやはり……」
「俺の愛娘を足手纏い呼ばわりとは……。いい度胸だな」
「私と閣下が今ここで言い争いを繰り広げる必要は、あるのでしょうか」
じっと黙って一触触発な空気で会話を聞き続けていたロルティは、元気よくカイブルの質問に答えた。
「ないよ!」
「そうか。では、無駄な言い争いは止め、現実的な話をしよう」
愛娘の言葉を耳にした父親は、先程までカイブルと言い争っていたのが嘘のように真面目な表情で話題を変えた。
護衛騎士は何か言いたげにジト目で彼を見つめていたが、幼子の前でこれ以上身内同士言い争う理由はないと考えたのだろう。
ぐっと言葉を飲み込み、ジェナロの指示に従った。
「本当にここから、侵入するのか」
「ええ。人気がなく、司祭の執務室に近い場所へ出られる唯一の抜け穴です」
カイブルが神殿内へ侵入するために利用する抜け穴は、迷いの森の中にある。
彼女が逃亡する際に利用したものだった。