日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
現在
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そして現在――――。
そういえば、どうして魔王討伐してから、ライナー様との婚姻が進んでしまったのだろう?
確か……魔王討伐から帰って来てからすぐに、アーサー殿下とリリーナ嬢の婚約が発表されたんだよね。それからガゼルが失恋の旅に出るって言って冒険者として国を出てしまって、残ったライナー様は宰相補佐として働き始めた。勇者メンバーで残っているのはライナー様だけで、縁を結びたい令嬢達が殺到した。しかしライナー様はリリーナ嬢のことが忘れられず、全ての話を蹴った。そんなライナー様を心配した宰相でライナー様の父であるドラン・ドレインバス様が陛下に相談、そこから私の話になり、トントン拍子に婚約からの結婚が決まり、今日を迎えた。
今日が私とライナー様との結婚式なのだけど、どうしてこのタイミングで前世の記憶を思い出しちゃうかなー。そんな事を考えながら教会へと向かう。教会の扉が開きバージンロードをゆっくりと歩きライナー様の元へ……。ライナー様は私を一瞥するとすぐに前を向いてしまった。まるで私には興味が無いと言った様子で、前を向いている。
少しはニコリとしなさいよ。