日陰令嬢は常に姿を消して生活したい~あれ?私って転生者?陰から皆さんをお守りいたします。
襲撃

 ***

 リリーナ嬢、毒殺未遂事件が起きた数日後、私は王城に呼び出されていた。

「アメリア嬢、今回もリリーナ嬢を守ってくれたらしいな」

「はい」

 陛下に向かって、膝を付き頭を垂れた。ここは陛下の執務室で、陛下とライナー様の父である宰相様が仕事をする場だ。私は今、影としてここにいる。

「アメリア嬢は現在の状況を把握しているか?」

「はい。全てではありませんが、来月行われるアーサー殿下とリリーナ嬢の婚姻に向けて、不穏な動きが見受けられます。ボイスンの報告によりますと、隣国アザレオンとビアゾナが不審な動きを見せていますが、特にビアゾナ国の兵士の動きが活発化しています。武器などの輸入量も増えていると聞いています」

「その様だな。何か対策はあるのか?」

「今のところ向こうがこちらに敵意も見せておりませんので、動く事は難しいと思われます。しかしあからさまな態度をとるようなら、内部から叩きのめします」

「出来るのか?」

「はい。すでに内部に影を忍ばせております」 

「それではその様に。後はそなたに任せる」

「承知いたしました」



< 40 / 104 >

この作品をシェア

pagetop