御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹 葉子と仁の物語

ゴール

彼

スパリゾートホテルに一泊した俺たち。その夜、初めて彼女を抱きしめて、一緒に一晩眠りについた。


横向きに眠っている彼女を後ろから優しく抱きしめる。そっと下腹部に触れ、少し丸みを帯びたその部分に、何とも言えない幸せな気持ちでいっぱいになる。


ああ、おまえたちが無事で本当によかった。
これからは俺がおまえたちとママを守る。
そう自分に誓い、眠りについた。




翌朝、グレー色の猫のぬいぐるみ『おしるこ』を枕元に置いている葉子ちゃんは、まだぐっすり眠っている。リビングに移り、おやじに電話をし、葉子ちゃんのアパートの契約解除と荷物の買い取りの手配をお願いした。何の因果か、彼女がアパート契約した不動産会社は九条グループの傘下だった。


おやじはすでに双子のニュースを聞いており、声の張りから喜んでもらえているのがわかる。10月末の九条ホテル不動産とグループ関連会社の会議で、パパ育休を含んだ育児休暇取得を全面的に推進することを発表すると意気込むおやじ。もちろん、俺はその手続きをすでに小鳥遊に頼んである。


その後、これから東京に戻り、花村家へ入籍の許しをもらいに行くと伝えた。


入籍以外にも早急に決めなければならないことがある。俺たちの入籍をどのように一般に公表するかだ。披露宴をしたがらない葉子ちゃんのことだから、きっと大々的なことは嫌がるだろう。


俺だけがマスコミのインタビューを受ければいいだろう。いや、それだと後々問題になるかも？


以前、雅の姉の葵が雅と姫ちゃんの婚約発表について言っていたことを思い出した。


「美愛ちゃんをマスコミに公表しないやり方では、後々もっと大変になると思うの。マスコミは婚約者探しに夢中になり、根拠のない記事を掲載するよ。それを見た美愛ちゃんは平気かな？　婚約者を探し出す記事は1つや2つではないよ」


確かに葵の言う通りだ。この件はあとで葉子ちゃんと話し合い、決めないと。御曹司ってのも、面倒くせーな。