御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹 葉子と仁の物語

ゲームオン

彼

初めて女性から拒否されて、年甲斐もなくやっきになっているのも確かだが、葉子ちゃんのことが頭から離れない。俺の誘いを断った彼女と、なんとか接点を持ちたい。


このまま簡単に引き下がると思うなよ。
これが一目惚れ……、なら厄介なものにかかってしまったな。




しかし意外なところでそのチャンスがやって来た。今ホテル9(クー)では、ブライダル部門の拡張と従業員ユニフォームのモデルチェンジに伴い、新しいアパレル会社との契約を検討している。そして来年の夏頃オープン予定のアメリカのスパリゾートホテルのユニフォームも早目に考えなければ。


西園寺家で雅と姫ちゃん両家の顔合わせバーベキューに慶智の王子たち、俺たち四家族も招待された時、何気なく圭衣ちゃんにこのことやアメリカとのミーティングを夜中にしている話した。なんとCool Beautyでは事業多角化に従い、男性服、ブライダル衣装、そして企業ユニフォームに手を広めているところだという。圭衣ちゃんとその場でアポを取り、後日ホテル9(クー)担当者を葉子ちゃんに選んでくれた……、彼女はまったく知らなかったらしいが。


圭衣ちゃんの気遣いに感謝。




正式にCool Beautyと契約を交わし、葉子ちゃんがユニフォームのデザイン数点を持参してのミーティング。彼女が担当なので社長権限を使い、こちら側は俺が直々に担当することにした。


「うちの内装と配色を考慮すると、この二番目がいいと思うんだが……、花村さんはどう思う？」

「私も、こちらのほうがよろしいかと存じます。特に女性用のミニスカーフと同じデザインの男性用のポケットチーフが、いいアクセントになっていると思います。では、こちらのデザインで進めさせていただきます。サンプルが完成しましたらご連絡いたします。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。失礼いたします」