御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
第一印象

初めてのことだった。


一体俺はどうしてしまったんだろう?




彼女と出会ったのは、俺たち慶智の王子の一人で親友の雅と婚約者である姫ちゃんこと、美愛ちゃんに起きた問題を仲裁した時だった。話し合いの場に俺のホテル、ホテル9(クー)の会議室を提供し、姫ちゃんの付き添いで来たのが彼女、葉子ちゃん。


艶やかなショートヘアの黒髪を耳にかけ、美しい顎から首のほっそりしたラインがさらに強調されていた。オフホワイトのニットにデニムを合わせたカジュアルな装い。フラットなパンプスを履き、身長は俺より2〜30センチ位低いと思う。165くらいか? 女性にしては背が高い。


彼女の外見はもちろん、ただそこにいるだけで分かる凛とした姿は、知的な内面の美しさが溢れ出ている。


確か彼女は姉の圭衣ちゃんとアパレル会社を共同経営していて、副社長の役職に就いているって聞いたな。しかも、23歳という若さだが、三姉妹で一番経営の才があるとも。


一見クールで大人びて見える彼女だが、姫ちゃんに向けた笑顔が忘れられない。ひまわりのような無邪気な笑顔で、彼女の周囲が一瞬にしてパァッと明るくなった。


きっと俺はこの時の彼女の笑顔にやられたんだろう。


この笑顔を見た瞬間、胸の辺りに心地よい温かさが広がっていくと同時に、高鳴る鼓動を感じた。


今までに感じたことのないこの体感は何なんだ?


彼女から目が離せない。
彼女しか目に映らない。


……、もしかして、これが一目惚れなのか?









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