御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
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3月に雅と姫ちゃんの結婚式も無事に終わり、今はもう5月。暦の上では初夏になる。




先月の4月、葉子ちゃんの誕生日に婚約指輪を贈り、改めてお互いの家族へ挨拶と報告を済ませた。これで正式に婚約したことになる。




バレンタインデーに熱い夜を過ごし、初めて肌を重ねた俺たち。週末にはホテル9(クー)の部屋で夜を過ごすことがほとんど。彼女には申し訳ないが、俺にとって都合よく、マンションにいるよりホテルの状況が分かりやすい。お互い仕事で忙しく、平日は相変わらず、食事やカフェへ行きデートを楽しんでいる。


ただ心に引っ掛かっていることがある。最近、彼女のひまわりのような笑顔が見られなくなっている。婚約指輪を受け取った時でさえ、彼女の笑顔はあの営業スマイルのようなものだった。さり気なく彼女の様子を伺ったり、間接的に聞いたが、何もわからない。


「結構忙しくて。高級スーパー伊乃国屋と本社のユニフォームもあったし、仁の所のウエディングドレスの件もあるから。それに10月の結婚までに色々決めることや、やらなきゃいけないこともあるでしょう? みんなが手伝ってくれるから助かってるの」


確かに彼女の忙しさは一緒にいてもわかる。食事中に社員からのメッセージや電話もよくある。だが、それだけが理由ではない気がするのは、俺の気のせいか?

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