永遠を糸で縫い留めて

あなたは私の表側の面しか知らないでしょう 

本当の奥の奥に 何があるのかもわからないまま

私と別れてしまった 

私の水底を 見たいと思う? 

あなたが思っているような 輝く翡翠色ではないというのに 

きらきらとした光の粒が 水面をなめているような 薄緑でもないというのに 

ただ淡い紫色の どすぐろさがうろうろと ただよっているだけよ 

あなたになら 私の綺麗な面以外も 見られてもよいと思っているわ 

私の汚さも あなたには 知ってもらいたいの

だから あなたのしらうおのようなその手を

私の中に 入れて 
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