永遠を糸で縫い留めて

6月の雨

雨が降っていた

いつまでもふりつづけて 私の黒髪の先まで濡らして

思い出すのは 高校の廊下の薄暗さ 古びた窓に 強い雨が降っていた

あなたは そんな日も校庭を走っていた 汚れた部活の白いシャツをまとって 

私は濡れた窓ガラス越しに あなたが走るのをただ見下ろしていた

私はあなたが好きなんだと その時気づきました

でも言えないまま 雨は終わり

今に至る

いまだに6月の雨の日は その情景と自分の心を思い返すの
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