永遠を糸で縫い留めて

飴色

幼い頃の なつかしい思い出がよみがえる


大阪の暑い夏の日 名前も知らない虎のシャツ着たおばちゃんが


飴ちゃん食べるか と 私のひらけた ちいさなてのひらに 飴玉ひと粒置いてった 


空にかざすと光を集めた色に変わり ポストにかざすと純な赤色に染まる


透明すぎて 口に入れる前に 溶けてしまった


飴の色 最後は私のてのひらの色に染まった 


染まった

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