永遠を糸で縫い留めて

ビニールプール

足元がつめたい 白い肌が水に透けて


青いあおい それに 私は入って喜んでいた


はたから見ればちいさな世界だったのに 私にとっては世界のすべてだった あの夏 


誰かがシャワーをかける 虹が頭上に浮かんでいた 


きらきらきらら


光の粒を見てた

 

それだけで幸せだった


蝉が鳴いている


また夏が 体を通りすぎる


もうビニールプールには入れない夏が
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