永遠を糸で縫い留めて

ほのぐらい森の中に ぽっかりと浮かぶ蛍のあまい光 


人は澄んだ宝石のようだというが 私には白く濁ったように見える 


夏に乾かされたのは 私の肌か それとも心か


蛍が飛んでゆく 消えて闇に溶けてしまう 


ひらりとゆびさきを伸ばし つかまえようとしても 


彼らは 地上の私には 興味もないのだろう 


また闇が来る 溶けて消えてしまいたい 

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