永遠を糸で縫い留めて

美波

白い砂浜で君を待っていた


遠い昔ここで話をしたね


波はただ穏やかに 透明な青色で僕の裸足の上を滑っていくよ


君の黒髪がつやを抱きながら 白い耳にかけられるのを覚えている


夏になれば ここで待っていれば会うことができた


この海辺にいれば いつまでも会えると思っていた


僕は君が好きだ 


うつくしい波は 今日も 穏やかに


変わらずにここにやってくる 


君の桜色の爪の上を あたたかく濡らしていたあの波は
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