永遠を糸で縫い留めて

結露

窓を数年ぶりに磨いていた


雨の名残だろうか 部屋のあたたかさに耐えた証だろうか


外側に結露ができている


そっとひとさし指ですくうと 何かわからないが


私のまなじりからも 涙がほろりとこぼれ落ちたのだ


結露も 流れ落ちてゆくのが 曇り硝子越しに見える


こうやって 目に見えない水分のように


いつの間にか 形になって 流れてゆくもので


私の周りはできているのだろう 

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