永遠を糸で縫い留めて

紅梅

ゆたかな梅のかおりを忘れていた


雪ばかりを気にして


まるく咲く花は 1月の澄んだ青い空によく映えていて


ぽんぽんと入り乱れてついた赤は 指先でつまむと取れてしまいそうで


ああ また 梅の花に出会えてよかった


身を成さない紅梅は 私の選んだ人生と似ていて


このうつくしい紅色が 冬に咲いている奇跡を尊いと思う


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