永遠を糸で縫い留めて

あなたの一番だったはずなのに


あなたはいつの間にか他の女とばかり 夜を過ごしている


ねえ あの日の朧月も 誰かと見たの


私はひとりで欠けてゆく月を眺めていたわ


このままあなたに忘れられてゆく一方ならば


私は死んで あなたの記憶に永遠に焼きつくことを選ぶわ


ねえ これで満足かしら


葵の花は 今年もまっすぐ ただまっすぐに薄青の空を目指して


大きな白と赤の花を咲かせるだけ
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