永遠を糸で縫い留めて

初音

春から四季を巡ってまいろう


あなたがどこの冬に居たって 歩けば届く距離に潜む


ほら つめたい雪が 桜の花弁の上で溶けている


透明な真水は どこまでもやさしく ふれるだけであまさが伝わってくるだろう


ほら気付いただろう


楓は 春にも茜に染まることを 上野誉の春紅葉は 


薄い青空の下で ちいさなちいさな花を咲かせている


夏の暑さも 頬を撫でる風に炎が散りばめられているのではないかと思うほど


身近にある


また春が終わり 冬が来ようとも


去年のように孤独に 身をまるめて 泣くことはないだろう


ここには 様々な恋しいひとのかけらがあるのだから 
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