永遠を糸で縫い留めて

行幸

あなたとは はじめて会った気がしないの


まとう冬の花のような凛と落ち着いた空気や


横顔の 顎をかすかに落として歩く姿

 

どことなく 漂う 爽やかな香りも 私好みだった


ああ 今日このときに この場所に来れて良かった


見逃してしまえば 散った後の桜のように


後悔していたかもしれない 見ないほうが 


そのうつくしさを知ることもなく死ねたのに


でも 


あなたと会えたこの時間 そこはかとなく 淡い幸福に満ちていたの
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