永遠を糸で縫い留めて

続く

20代前半の時は 毎日焦っていた


何者かにならなきゃいけないって 幼い頃からの夢を叶えなきゃって


30代になって 糸が切れたように気持ちが楽になった


人生は 何かに急かされたり 競争させられたりするものじゃないって


日常が ただ淡々と続いてゆくことが 一番のしあわせなんだって


やっと気づけた この世の真理


変わらない日々の積み重ねで 今年の終わりも見えてきた


そんな毎日こそを 愛せるようになれた これが成長っていうのかしら


薄青い朝が来て 白いまひるの月が昇って また紺色の夜がやってくる


その透明な空気の中に溶けて 生きているひとつの命が


私であり あなたなんだって 


来週も続く お楽しみに
< 457 / 484 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop