～転生悪役令嬢の裏道攻略～　シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

２（私、このままだと処刑されるんですけど！）

　ジェミー御嬢様ご乱心、の噂がペリエライツ家をまことしやかに駆け巡った数日後。彼女は自室で腕を組みひどく頭を悩ませていた。

（いやはやー、私がまさか悪役令嬢になっていたとは）

　ジェミーはどうやら、生まれた時から転生者であったらしい。
　だが、前世の記憶を完全に取り戻したのは、雷に打たれたあの瞬間だ。それにより人格まで修正され、今彼女の中には十五年そこそこをジェミー・ペリエライツとして生きていた記憶と、前世、日本で生きていた記憶が混在していた。

（どんな死に方をして、どうしてこの世界に送られたのかは覚えていないけれど、多分あまり長生きはできなかったのよね）

　前世の世界線では、この手の物語によくあるようにジェミーもまた、社畜であった。社畜率の高い日本企業で働く限り、早死にした社畜が異世界に送られることもそう珍しいことではなさそうである。

（ううっ、悲しい記憶が私を責めたてるっ！）

　思い返せば前世は思い出すのも悲しくなるような人生だった。
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