～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

１３（学園内はデッドゾーン）

　意識が暗転。
　その後――温かく柔らかいになにかに包まれたジェミーの体は、どっどっと、立て続けに地面に打ちつけられる感触で弾む。

「い、いったぁ～」
「う、ぐっ」
「ほえ？」

　衝撃で数秒間蹲っていた後、体を起こすジェミー。彼女は自分の体の下に敷いた弾力のあるものが呻いたのに気づき、慌ててついていた手をどける。

「わわっ、だ、大丈夫？」
「だ、大丈夫だ。どいてくれ」

　そこにいたのは、ひとりの青年だった。
　折り重なっていたジェミーが体の調子を確かめつつ脇へ退くと、彼は肩の部分をさすりながら、閉じていた目を開けた。
　乱れていた髪の隙間から覗いたのは前世の吸血鬼ものを思い出すような鮮血の色。思わず綺麗だなと見入る中、彼が怒りのまま地面を鋭く見下ろし、身を起こそうとするので慌てて手を差し述べる。