~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

28(悪役令嬢も悪くない?)

 王宮の舞踏会で、セニアとクラフトの関係を明らかにし、第三王子陣営にとって自分が有益な存在であるとアピールできたジェミーは、久しぶりに実家でゆっくりと寛いでいた。

「御嬢様、ここですか~」
「そうそう、そこをぎゅーっと。痛い痛い痛いやりすぎ~」

 マッサージを申しつけたミリィに、ベッドに寝転がったまま、ぐいぐいと背中の当たりを揉んでもらう。

 ミリィはちょっと口が過ぎるのと時折とんでもないポカをやらかす以外は、身支度、給仕、話し相手に護衛役と、マルチに優秀な侍女なのである。

「では、このくらいで」
「あーそれそれ、いいわよいい感じ。くぅ~、たまんない」
「なんだかはしたなくございます~」

 変な声が出たのを軽く諫められつつぐ~んと体を反り返らせたジェミーの頭にこれからの予定が膨らんでゆく。
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