~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

2(暗殺犯とご対面?)

 時は少し(さかのぼ)り……。

 家族の理解を経て、第二王子クラフトとの婚約の取り止めに成功したジェミー。彼女がその後憂いなく学生生活を送れるようになったかというと、実はそうではなかった。

 相変わらずクラフトはことあるごとにジェミーにうるさく婚約を迫り、セニアは彼女を目の敵にし、隙あらば悪者にしようと画策する。開店したばかりの愛店ジェミーズ・ドロアーの経営状態も放ってはおけない。学期末試験の到来も重なって、目の回るような忙しさは続いており――。

 ある日、放心状態でなんとか試験を終わらせたジェミーのもとへ、一通の手紙が届いた。送り主はルゼ・トーミアス。

【この度、デール王太子に王位継承に関して、ペリエライツ家の意向を説明する場を設けていただいたため、ジェミー嬢にはそこに同席していただきたい】

「はーもー」

 一目見ただけでぐったりだ。ジェミーとしては、少しくらいは充電期間を与えてほしいものであったが、これは自身の王位継承を危ぶむデール王太子に敵対する意思はないと説明するチャンス。顔を見せないというチョイスはなく、よって彼女はやむを得ずルゼと共に彼のもとに赴くことになったのであった。
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