～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

５（ジェミー、入学式へ）

　ジェミーが目を覚まして一か月。

　学園入学の日まではあっという間に過ぎた。ジェミーはペリエライツ公爵邸の前で、母コーネリアと兄ウィンダスに出発を見送ってもらう。

「ジェミー、くれぐれも問題は起こさず、勉学に勤しむようにね。身分をひけらかして他の生徒たちを下に見るようなことをしてはなりませんよ」
「ええ、もちろんですわお母様。真剣に学業と向き合い、周囲の方たちと温厚に接し、ペリエライツ家の娘としてふさわしい姿を皆様にお見せしてきます！」

　そう言うと、隣にいた兄が肩を叩いてくる。

「まあ大丈夫でしょう母上。我儘放題だったこいつもここ最近でずいぶん変わった。はっはっは、きっと雷に打たれたのがよかったんだろう。神様が別人と中身を入れ替えたんじゃないかと思うくらいだ」
（悔しー、人の不幸を笑いものにしちゃって。でもニアピン……）

　兄の鋭い推測に惜しい！　と想像の中で指パッチンしながら、ジェニーは見送ってくれる家族にお辞儀で答える。