~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
9(なんだか雲行きが怪しいぞ)
謁見室から人が捌けた後、ジェミーたちはカレンベール帝国の宰相に、皇宮の奥にある一室へと誘導される。
その間ジェミーはずっと小声でルゼに食って掛かっていた。
「ルゼ様、いったいなにを考えてらっしゃいますの!? 皇帝陛下の憂慮って、そんなものを知っているならどうして先に教えてくれなかったんです?」
「いや、そんなものは知りませんよ」
「知らないですって!?」
つい宰相に聞こえるくらいのトーンでしゃべってしまいながら、慌ててジェミーは声を潜める。
「じゃあどうしてあの場であんなことを言ったんです! もし陛下のご期待に添えなかったら、私たちどうされてしまうか」
「あのね。よく考えてみてください。あれだけ多くの臣下がいる中で、あなたは陛下から、クラフト殿下との一件の内容を引き出せると思いますか? まず間違いなく、周りの人たちに余計な口を挟まれて、うまく話し合いが進みませんよ」
「うっ、それはそうかもですけど」
ジェミーも謁見した際の詳細な成り行きまでは考えてはいなかったため、こう言われると頷かざるを得ない。ジェミーだって、自分の言葉に大勢いた臣下の全員が聞き耳を持ってくれるかというと、自信はない。
その間ジェミーはずっと小声でルゼに食って掛かっていた。
「ルゼ様、いったいなにを考えてらっしゃいますの!? 皇帝陛下の憂慮って、そんなものを知っているならどうして先に教えてくれなかったんです?」
「いや、そんなものは知りませんよ」
「知らないですって!?」
つい宰相に聞こえるくらいのトーンでしゃべってしまいながら、慌ててジェミーは声を潜める。
「じゃあどうしてあの場であんなことを言ったんです! もし陛下のご期待に添えなかったら、私たちどうされてしまうか」
「あのね。よく考えてみてください。あれだけ多くの臣下がいる中で、あなたは陛下から、クラフト殿下との一件の内容を引き出せると思いますか? まず間違いなく、周りの人たちに余計な口を挟まれて、うまく話し合いが進みませんよ」
「うっ、それはそうかもですけど」
ジェミーも謁見した際の詳細な成り行きまでは考えてはいなかったため、こう言われると頷かざるを得ない。ジェミーだって、自分の言葉に大勢いた臣下の全員が聞き耳を持ってくれるかというと、自信はない。