～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

１６（極秘任務開始、です！）

　ざっざっと足音を立て行進して来たしろがねの甲冑たちが、ひとつの扉の前で止まる。
　彼らこそが、この王宮を守る、レビエラ王国に所属せし騎士たちだ。

　誉れ高き称号を受けし彼らは、兜の中の表情をいっそう険しくすると、部屋の中に向かって大きな声を張り上げる。

「ガーフィール団長。ご息女がお越しになられました！」
「入れてやれ」

　内側から響いた重たい声に従い、扉を開いた騎士たちがひとりの女性を招き入れる。すると、執務用の席に着いた厳めしそうな男性が重そうな腰を上げた。

　彼はガーフィール・ハーレント。レビエラ王国にこの人ありとうたわれる、王国騎士団の最高責任者である。

「久しぶりだな。我が娘よ」
「ご無沙汰しております、父上」

　そしてそんな言葉を向けられ、列の後ろから進み出てきたのは。
　騎士団長ガーフィールの娘にして、ペリエライツ家の息女ジェミーの側仕えを務める侍女、ミリィ・ハーレントだった。