~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
17(“永の蒼”奪還計画)
いったん気を落ち着かせるため、ミリィが隊舎のキッチンからティーセットを拝借して茶を入れてくると、その頃にはガーフィールはなんとか口を聞ける程度には回復していた。
いや本当、さっきまで燃え尽きたようたようなひどい有様であったのだ。第一王子はまだ声を震わせている。
「くっくっ。いやいやなかなかおもしろい見世物だった。騎士団長を退いたら、俺の道化役でも勤めてみるか、ガーフィールよ。お前の与り知らぬ国の秘密など、山のようにあるぞ」
「ぐぐ、ご勘弁を。あのような事実を何度も知らされては、心の臓が口から飛び出し天国へと旅立ってしまいますわい。重ね重ね聞きますが、本当なのですか? あの温厚なクラフト殿下が、デール殿下より継承権を奪おうとしておるなど」
「真でなければこうしてこのようなところにまで足を伸ばすものか。それに、クラフトは見た目通りの男ではない。やつは一見優しげに見えて、すべての他人を胸の中で見下しておる。俺のみならず、陛下や自らの母親までもな。子供の頃から、やつがあの魔性の笑顔と知恵で他人を屈服させるところを俺こそが一番近くで見て来たのだ。それに気づいていなければ、俺も自らあいつに玉座を譲ろうとしていたかも知れぬ。忌々しいことにな」
「そ、それほどの」
動揺に汗を浮かべたガーフィールに吐き捨てると、デールは問うた。
いや本当、さっきまで燃え尽きたようたようなひどい有様であったのだ。第一王子はまだ声を震わせている。
「くっくっ。いやいやなかなかおもしろい見世物だった。騎士団長を退いたら、俺の道化役でも勤めてみるか、ガーフィールよ。お前の与り知らぬ国の秘密など、山のようにあるぞ」
「ぐぐ、ご勘弁を。あのような事実を何度も知らされては、心の臓が口から飛び出し天国へと旅立ってしまいますわい。重ね重ね聞きますが、本当なのですか? あの温厚なクラフト殿下が、デール殿下より継承権を奪おうとしておるなど」
「真でなければこうしてこのようなところにまで足を伸ばすものか。それに、クラフトは見た目通りの男ではない。やつは一見優しげに見えて、すべての他人を胸の中で見下しておる。俺のみならず、陛下や自らの母親までもな。子供の頃から、やつがあの魔性の笑顔と知恵で他人を屈服させるところを俺こそが一番近くで見て来たのだ。それに気づいていなければ、俺も自らあいつに玉座を譲ろうとしていたかも知れぬ。忌々しいことにな」
「そ、それほどの」
動揺に汗を浮かべたガーフィールに吐き捨てると、デールは問うた。