~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
23(闇堕ちジェミーを照らすもの)
目の前で横倒しにになって揺らぐのは、たぷたぷした茶色い液体が中に閉じ込められたガラス瓶。
「あ~~~~~~~」
それを両の指先でころころ転がしながら。
宿の一室に引き篭もっていたジェミーは机の上で上半身を脱力させ、神の啓示が脳内にもたらされるのを、今か今かと待ち侘びていた。
(なぁんにも思いつかないわ。どーしよ)
微細化と精錬という、カカオの粒を限りなく細かくし滑らかに加工する過程が、どうしても満足いく仕上がりにならない。
ルゼと交互に十時間近く碾き臼を回し続けても無理だったのだ。あんな作業を人力で延々とこなして完成に持っていくのは、長期的な生産を考えても不可能。
かといって、この世界には自動で作業を行ってくれる電子機械など存在しない。そのギャップを乗り越える手段がどうしても浮かばず、三日三晩ほとんど寝ずに頭を働かせていたジェミーは目の下に隈を作ってどんよりしていた。
後ろで立つ、いろいろと世話を焼いてくれた家令のウィリアムや、カーライルも不安そうにその姿を見つめている。
「あ~~~~~~~」
それを両の指先でころころ転がしながら。
宿の一室に引き篭もっていたジェミーは机の上で上半身を脱力させ、神の啓示が脳内にもたらされるのを、今か今かと待ち侘びていた。
(なぁんにも思いつかないわ。どーしよ)
微細化と精錬という、カカオの粒を限りなく細かくし滑らかに加工する過程が、どうしても満足いく仕上がりにならない。
ルゼと交互に十時間近く碾き臼を回し続けても無理だったのだ。あんな作業を人力で延々とこなして完成に持っていくのは、長期的な生産を考えても不可能。
かといって、この世界には自動で作業を行ってくれる電子機械など存在しない。そのギャップを乗り越える手段がどうしても浮かばず、三日三晩ほとんど寝ずに頭を働かせていたジェミーは目の下に隈を作ってどんよりしていた。
後ろで立つ、いろいろと世話を焼いてくれた家令のウィリアムや、カーライルも不安そうにその姿を見つめている。