~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
25(わたしが第二王子クラフトだ……です!)
空に浮かぶ欠けた月が白い王宮を照らしている。
もうすぐ、宴の夜が始まろうかという時間帯。
第二王子生誕の祝賀パーティーに続々と貴族たちが訪れている中。ミリィは、いつもより人通りの少なくなった回廊を、姿を潜めながらこそこそと歩いていた。
硬い石床でも足音を響かせずにいられるのは、幼少時からの修練の賜物。厳しく育ててくれた母に感謝したい。
父である騎士団長から兵士たちの巡回ルートと時間帯は知らされている。祝賀の雰囲気に当てられてか、緩みが見える彼らを持ち前のはしっこさでやりすごしつつ、ミリィは、王宮の中を目的地に向けて前進していった。
結局ブラウンは別の任務で数日前に王都を後にし、こちらを手伝いに来てくれなかった。それだけがミリィの中ではかなり不満だ。
目指すは最上階の一室。警備の多い低層階を抜けるのが一番大変だったが、そこからはそう見つかりそうな局面も少なく、ミリィは着々と王宮の階層を踏破していった。
(ふう、考えてみればどうしてわたし、こんな危ないことやらされているんでしょう)
それは、ハーレント家の屋敷に戻った際にも母ナタリエにこんこんと説教されたけれど。
もうすぐ、宴の夜が始まろうかという時間帯。
第二王子生誕の祝賀パーティーに続々と貴族たちが訪れている中。ミリィは、いつもより人通りの少なくなった回廊を、姿を潜めながらこそこそと歩いていた。
硬い石床でも足音を響かせずにいられるのは、幼少時からの修練の賜物。厳しく育ててくれた母に感謝したい。
父である騎士団長から兵士たちの巡回ルートと時間帯は知らされている。祝賀の雰囲気に当てられてか、緩みが見える彼らを持ち前のはしっこさでやりすごしつつ、ミリィは、王宮の中を目的地に向けて前進していった。
結局ブラウンは別の任務で数日前に王都を後にし、こちらを手伝いに来てくれなかった。それだけがミリィの中ではかなり不満だ。
目指すは最上階の一室。警備の多い低層階を抜けるのが一番大変だったが、そこからはそう見つかりそうな局面も少なく、ミリィは着々と王宮の階層を踏破していった。
(ふう、考えてみればどうしてわたし、こんな危ないことやらされているんでしょう)
それは、ハーレント家の屋敷に戻った際にも母ナタリエにこんこんと説教されたけれど。