～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

２７（ご賞味遊ばせ、至高の美味）

　約一か月ぶりの皇宮。

　そこに設えられた広大な庭園にて、ガーデンパーティーの趣でそのお披露目会は開催された。そこかしこにはテーブルが並べられ、上に置いた飲食物を隠すように純白のクロスで覆われている。

「お久しぶりですなぁ。本日はずいぶんと急な招集でありましたので、もしやく帝国に不測の事態でもと心配しておったのですが……」
「私も貴公と同じくそう思っていたのですよ。しかし、この華やかな趣からすると、国家の変事などではなさそうでなにより」

　この場に集められているのは帝国が誇る重臣たちなのだろうが、あちらこちらで招集された内容の予想に忙しくしているあたり、まだ本日、ここでなにが行われるのかは知らされていないようだ。

　そこへ、お馴染みの楽隊が景気のいい入場音を響かせて、

「カレンベール帝国二十一代目皇帝、エディアン・ド・ラ・カレンベール様のお成～り～」

　彼らの統率者、カレンベール帝国皇帝エディアンが、皇太子や第一、第二皇女と共に派手派手しい装いで登場してくる。

「皆の者、よく集まってくれた。本日ここに顔を見せに来てもらったのは他でもない。帝国の今後の運命を占うに値する、ひとつの大きな発明を皆に知らしめるためだ」