~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
おまけ①(隠されし真実)
新学期が始まり、再び学園生活が始まったある日。エレマール家の屋敷に戻ったセニアは、自室でひとり憂鬱な気分を吐き出していた。
夏休みの間、ほとんど愛しの第二王子クラフトとは会うことができなかった。思い余って王宮にまで足を伸ばしたものの、どうも仕事が忙しいらしく数回顔を合わせただけで、迷惑な顔をされてしまう始末。本当は休みの間に彼と出掛けたいところはたくさんあったのに。あの、王宮での夢のような一幕が、嘘のようだ。
(彼は私のことを王妃にしてくれるなんて言うけれど、それを本当に信じていいのかしら?)
クラフトは狡猾な第一王子から王位継承権を奪い取り、自らが次の国王として立つつもりで動いているとセニアに話した。そしてそうなった暁には、最後に隣で微笑むのはセニアだと約束までしてくれたのだ。その証が、あの口づけだと思っているからこそ、セニアはその言葉を疑うことをしてこなかったのである。
しかし……ここに来てわずかな疑念が頭をもたげ始めている。
セニアは現状のクラフトの様子からして、その気持ちがジェミーに傾いていると感じざるを得なくなった。
学園で共にいた時も、彼はよく周囲に目を向けて誰かを探していた。それがジェミーと話した後の、彼女を見送る時のものと同じとくれば、ふたりの仲を勘ぐるようになるまで時間はかからない。
夏休みの間、ほとんど愛しの第二王子クラフトとは会うことができなかった。思い余って王宮にまで足を伸ばしたものの、どうも仕事が忙しいらしく数回顔を合わせただけで、迷惑な顔をされてしまう始末。本当は休みの間に彼と出掛けたいところはたくさんあったのに。あの、王宮での夢のような一幕が、嘘のようだ。
(彼は私のことを王妃にしてくれるなんて言うけれど、それを本当に信じていいのかしら?)
クラフトは狡猾な第一王子から王位継承権を奪い取り、自らが次の国王として立つつもりで動いているとセニアに話した。そしてそうなった暁には、最後に隣で微笑むのはセニアだと約束までしてくれたのだ。その証が、あの口づけだと思っているからこそ、セニアはその言葉を疑うことをしてこなかったのである。
しかし……ここに来てわずかな疑念が頭をもたげ始めている。
セニアは現状のクラフトの様子からして、その気持ちがジェミーに傾いていると感じざるを得なくなった。
学園で共にいた時も、彼はよく周囲に目を向けて誰かを探していた。それがジェミーと話した後の、彼女を見送る時のものと同じとくれば、ふたりの仲を勘ぐるようになるまで時間はかからない。