~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
2(あーた、私を暗殺しようとしてやがりませんでしたっけ?)
「ごごっ、ご無沙汰しておりまぁす、デール王太子殿下。本日は貴重なお時間を割いていただき誠にありがたく存じますわ。それと、帝国での出来事のご報告が遅れた件、まことに、この通りでございますっ!」
手紙が来た当日に、ジェミーは王宮へとすっ飛んでデール王太子のもとを訪れた。
そして面談室で数時間吐きそうな思いで待ち侘びたのち、今媚び媚びの笑顔でしなを作り、ぺこぺこと頭を下げている。
ペリエライツ家にあった騒動や執務で忙しくしていたから、なんてのは理由にはなるまい。任務は無事達成したとはいえ現時点でこの国の次期国王に一番近い人物に仕事を任されておきながら、その完了報告を忘れるなど、なあなあで済まされていいはずがなく。
「面をあげい」
「はっ」
冷や汗をたらたら流しつつ、跪いていたジェミーはがたついたリクライニング機構みたいに体を起こす。
(うひょ――!!)
そして目にするのは、ブリザードでも放ちそうな彼の橙色の瞳だ。うちの母コーネリアが激怒した時といい勝負である。あの穏やかな色彩でその圧をどうやったら表現できるのか、いっそ見事なほどだった。
手紙が来た当日に、ジェミーは王宮へとすっ飛んでデール王太子のもとを訪れた。
そして面談室で数時間吐きそうな思いで待ち侘びたのち、今媚び媚びの笑顔でしなを作り、ぺこぺこと頭を下げている。
ペリエライツ家にあった騒動や執務で忙しくしていたから、なんてのは理由にはなるまい。任務は無事達成したとはいえ現時点でこの国の次期国王に一番近い人物に仕事を任されておきながら、その完了報告を忘れるなど、なあなあで済まされていいはずがなく。
「面をあげい」
「はっ」
冷や汗をたらたら流しつつ、跪いていたジェミーはがたついたリクライニング機構みたいに体を起こす。
(うひょ――!!)
そして目にするのは、ブリザードでも放ちそうな彼の橙色の瞳だ。うちの母コーネリアが激怒した時といい勝負である。あの穏やかな色彩でその圧をどうやったら表現できるのか、いっそ見事なほどだった。