～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

４（ふたりの距離も微速接近）

（家族や親しい人間がそばから消えて、気落ちしてないといいんだが）

　ある程度情報が集まり、ペリエライツ一家の事故現場に向かって現地調査を行っていたルゼは王都に引き返し次第、ジェミーのもとを尋ねることにした。

（たかが一週間やそこらぶりに会うだけなのに、どうしたっていうんだかな）

　以前は彼女と会うだけでこんなに緊張しなかったのに。
　ペリエライツ家の応接室に通されただけで、喉が強張る自分に苦笑しながらルゼが待っていると、ほどなく目当ての令嬢が顔を見せる。

「ルゼ様。御機嫌よう」
「ひ、久しぶりだねジェミー嬢。元気にしていた？」

　ジェミーの今日の装いは、薄手の生地でフリルが多いパステルブルーのドレスだ。彼女の銀の髪と相まって、非常に上品で清涼感があっていいと思う。
　ルゼはそれを口に出して褒めようか迷ったが、それよりも先に挨拶が済むなり、ジェミーの口から出てきたわけのわからない話題に困惑させられることとなった。