~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
11(トマトむぐむぐ事件)
(まさか、あんなことになるなんてねぇ)
今日も登校日。
レビエラ王国の歴史の授業中、ジェミーは前に立つ教師の話を聞き流しつつ教室の片隅でひとり唸る。この短い期間の間に、ある大きな問題が発生したのだ。先日ミリィを連れて服飾店を買収した帰り。市場で他にも商売の種を探した後、ほくほく顔で馬車に乗り込み屋敷に戻ろうとした時、それは起きた。
――当時、ジェミーはすこぶる機嫌がよかった。
なんせ、自分のお店が持てるのである。まあその資金源は親の懐から出ているので、ちょっぴり情けない気持ちもあるが、それはそれ。この先自分も従業員も店に来てくれるお客様も笑顔にできれば、そんな事実はプライスレスになるはずだ。先を見据え、なんだかんだ商品の試作のための材料をたっぷりと買い込み、いざ屋敷へ、と馬車が動き出して数分。
まず違和感に気づいたのはミリィだった。
『…………え!?』
さっとミリィが耳に手を当て、周りの音をよく聞き取ろうと集中する。
今日も登校日。
レビエラ王国の歴史の授業中、ジェミーは前に立つ教師の話を聞き流しつつ教室の片隅でひとり唸る。この短い期間の間に、ある大きな問題が発生したのだ。先日ミリィを連れて服飾店を買収した帰り。市場で他にも商売の種を探した後、ほくほく顔で馬車に乗り込み屋敷に戻ろうとした時、それは起きた。
――当時、ジェミーはすこぶる機嫌がよかった。
なんせ、自分のお店が持てるのである。まあその資金源は親の懐から出ているので、ちょっぴり情けない気持ちもあるが、それはそれ。この先自分も従業員も店に来てくれるお客様も笑顔にできれば、そんな事実はプライスレスになるはずだ。先を見据え、なんだかんだ商品の試作のための材料をたっぷりと買い込み、いざ屋敷へ、と馬車が動き出して数分。
まず違和感に気づいたのはミリィだった。
『…………え!?』
さっとミリィが耳に手を当て、周りの音をよく聞き取ろうと集中する。