~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
28(自由なやつが勝者だもん!)
いきなりすべての人々の視線が自分に向かい、ルゼは混乱しながら国王の言動を否定する。
「ち、違う! 僕の名はルゼ・トーミアス! トーミアス伯爵家のひとり息子にして、第三王子アルサイドの支持者。僕が王子だなんて、そんなはずはない! なあそうだろう、ウィリアム!」
彼が縋るような視線を向けたのは、巌のような顔をして押し黙るウィリアムだ。
長年彼を誰よりも近くで見続けてきた老紳士は、ルゼのそんな言葉を受けても張り詰めたように口を閉ざしている。
「どうして、答えてくれないんだ。なにか言ってくれよ、ウィリアム」
「ウィリアム……? お主、ウィリアム・ベーカーか!」
そこで反応を見せたのはデールの隣にいた宰相のロドムだ。
「そうか……。お主が第三王子を、アルサイド様を育てていたというのか」
「そういえば、いたなそんな男が。十年以上昔に王宮の侍従長を務めていた男だったか?」
デールは思い出したように言う。
「ち、違う! 僕の名はルゼ・トーミアス! トーミアス伯爵家のひとり息子にして、第三王子アルサイドの支持者。僕が王子だなんて、そんなはずはない! なあそうだろう、ウィリアム!」
彼が縋るような視線を向けたのは、巌のような顔をして押し黙るウィリアムだ。
長年彼を誰よりも近くで見続けてきた老紳士は、ルゼのそんな言葉を受けても張り詰めたように口を閉ざしている。
「どうして、答えてくれないんだ。なにか言ってくれよ、ウィリアム」
「ウィリアム……? お主、ウィリアム・ベーカーか!」
そこで反応を見せたのはデールの隣にいた宰相のロドムだ。
「そうか……。お主が第三王子を、アルサイド様を育てていたというのか」
「そういえば、いたなそんな男が。十年以上昔に王宮の侍従長を務めていた男だったか?」
デールは思い出したように言う。