~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
おまけ②
「ねぇミリィ」
「はい、なんでございましょう、御嬢様」
自室での優雅なティータイムにて。
ある日の公爵令嬢ジェミー・ペリエライツは、マニキュアの塗られた爪にふうと息を吹きかけると、アンニュイな視線を遠くに向けて言った。
「恋ってさ……苦し――」
「げほげほっ、ごほっ!」
「なにやってんのよ! まだ最後まで言ってもいないんだけど⁉」
「申し訳ございませんっ!」
その近くで、ティーポットから紅茶を淹れていたミリィが、むせ返って手元をガタつかせ、テーブルの上にびちゃびちゃと液体を零す。慌ててジェミーが避難している間に彼女はテーブルを拭いた後、まだ震える手でなんとか再度紅茶を淹れながら、唇を震わせた。
「……ぷふっ。そそ、その、失礼いたしました。あまりにもらしくないといいますか、わたしには及びもつかないポエミーな表現が、そのう、心に刺さってしまいまして~!」
「あなたそれ、他のところに行った時気を付けなさいよ。これから王宮なんかに出入りする機会もあるんだから」
「はい、なんでございましょう、御嬢様」
自室での優雅なティータイムにて。
ある日の公爵令嬢ジェミー・ペリエライツは、マニキュアの塗られた爪にふうと息を吹きかけると、アンニュイな視線を遠くに向けて言った。
「恋ってさ……苦し――」
「げほげほっ、ごほっ!」
「なにやってんのよ! まだ最後まで言ってもいないんだけど⁉」
「申し訳ございませんっ!」
その近くで、ティーポットから紅茶を淹れていたミリィが、むせ返って手元をガタつかせ、テーブルの上にびちゃびちゃと液体を零す。慌ててジェミーが避難している間に彼女はテーブルを拭いた後、まだ震える手でなんとか再度紅茶を淹れながら、唇を震わせた。
「……ぷふっ。そそ、その、失礼いたしました。あまりにもらしくないといいますか、わたしには及びもつかないポエミーな表現が、そのう、心に刺さってしまいまして~!」
「あなたそれ、他のところに行った時気を付けなさいよ。これから王宮なんかに出入りする機会もあるんだから」